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「タワマン」は節税対策になる?

タワーマンションを購入して相続税の負担を減らすことは、俗に「タワマン節税」と呼ばれています。結論からいえば、さんざんタワマン節税が使われ、税務署からの目も厳しくなった今のタイミングでは、タワマンを節税目的で購入するのはおすすめできません。

今回は、タワマン節税の概要とおすすめできない理由について解説します。なお、節税対策を行う場合は、税務の専門家にご相談のうえ進めてください。

タワマン節税の概要

預貯金にはそれなりの相続税がかかります。また、預金に関しては亡くなった直後に凍結されるため、手続きが完了するまで動かせないというデメリットもあります。基礎控除額があるものの、資産家であれば基礎控除額で相続税をゼロにするのは難しいでしょう。

そのため、資産家は預貯金を持ちすぎず、資産を不動産などに分散することがあります。不動産は預貯金とは違い、購入価格ではなく固定資産税評価で相続税が計算されます。つまり、実際に使った金額に対する相続税額を下げることができるのです。

特に、預貯金を使ってタワマンを購入することで、相続税を著しく抑えることができます。タワマンは時価(売買価格)がとても高い不動産であるため、時価と固定資産税評価額に大きな乖離が生まれるからです。

これは、固定資産税評価額が「建物の工法・素材・設備」などで決められることに由来します。タワマンにはプレミア価格が付きますが、固定資産税評価ではこれが考慮されにくいという点に着目した節税テクニックとして知られています。

上記は建物の相続税額ですが、タワマンには住民が多いため、一戸あたりの土地の評価額も小さくなります。また、土地の相続税をさらに下げられる「小規模宅地等の特例」が使えるという利点もあります。

タワマン節税のリスク

そうはいっても、タワマンを買えば節税に繋がるわけではありません。少なくとも、時価と固定資産税評価の乖離があるという点では2022年でも変わりませんが、税務署は「税逃れを目的にタワマンを購入する」という現状を重く見ているからです。また、タワマンの使用用途が「節税」だとみなされたら、小規模宅地等の特例などは否認される可能性があります。

不動産の相続税額は固定資産税評価で決まるため、預貯金で残しておくよりも相続税の負担が軽くなることはあります。資産を預貯金に集中させないというのは、リスクヘッジという側面もあり、節税対策という側面もあるのです。

預貯金を不動産に変えることで相続税額を抑えられるという点には変わりありませんが、それをタワマンで行うべきかどうかは、よく吟味する必要があるでしょう。