社内企業の事例

社内でベンチャーとして新規事業を立ち上げる「社内起業」制度を採用している会社はいくつかあります。社員は独立するよりもリスクを抑えて起業チャレンジができ、会社の力を活かして事業を軌道に載せる手段が増えますし、会社としても競争力を高めて生き残る戦略一環として社内企業をサポートするメリットがあります。
今回は、実際に社内起業制度を採用している会社の事例をご紹介します。

リクルート

リクルートでは、「New RING」と呼ばれる新規事業コンテストが行われています。「ゼクシィ」「ホットペッパー」「スタディサプリ」「R25」といった、リクルートの中でも特に知名度が高く、基幹事業ともいうべきビジネスを生み出したのも、社内起業制度の一環であったNew RINGが発端でした。

ちなみに、ボトムアップで社員が新しいものを世に送り出すというのがリクルートの社風です。新入社員も「この事業がやりたい」というよりも「この会社で新しい事業をやりたい」と思う方が多く、そのやる気を良い形で実現へ導く仕組みといえます。

三菱商事

三菱グループの大手総合商社である三菱商事も、社内起業制度を採用しています。そこから成功を掴み取ったのは、皆さんが一度は聞いたことがある「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」です。2000年に社内ベンチャー0号として「株式会社スマイルズ」を創立し、発案者も個人で出資をするという形でスタート。その後もリサイクルショップや海苔弁専門店などさまざまな事業を展開するほか、他企業の株式を取得して事業を継承するなどして、1つの会社として経営を続けています。

サイバーエージェント

サイバーエージェントは、新規事業を生み出すために多様な制度を用意している企業の1つ。例えば、新規事業をランク付けする「CAJJプログラム」「スタートアップJJJ」などの評価システムを作り、昇格・撤退を管理しています。また、役員が直々に、あえて担当範囲外の事業を提案する「あした会議」も、サイバーエージェントのユニークな取組でしょう。2006年からスタートしており、クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake(マクアケ)」などを生み出しています。

ちなみにサイバーエージェントは、入りたての新卒や入社数年の若手社員に子会社の社長を任せるという制度は有名。新しいチャレンジというものに積極的な社風をもつ起業でもあります。